2021年度は授業資料の配布等に本学LMSを利用します。使用方法等は授業内で指示します
本学人文学類担当教員のためにオンライン授業の作成に関するtipsを公開しています。2020年度の情報に基づいていますので、すでに古い情報となっているものが含まれている可能性があります。
研究の興味に書いた通り、私の専門は「母語話者が言語を理解する仕組みの解明」です。特に、「日本語母語話者(1)が日本語(2)を理解する(3)仕組みの解明」です。これに近いテーマを選択すると、私が蓄積してきた知識や技術をお教えすることができます。逆にここから離れれば離れるほど、私の興味から遠くなるので、伝えられる知識や技術が減ることになります。下線部(1)はさまざまな言語の母語話者を対象とすることができますし、下線部(2)もさまざまな言語を対象とすることができます。また、下線部(3)は「理解」以外にも「産出」「獲得」「学習」などのキーワードがあります。もちろん下線部を多少書き換えたことに興味がないわけではありませんが、あまり多くのことをお伝えすることができないので、学生・教師の両者にとって良いマッチングだとは思えません。
研究の方法論についても同様です。私はさまざま実験手法によって得られた数的データに基づく考察を行っています。したがって、私と一緒に研究をするのであれば、実験を行なうことが必須です。スタート時点では、実験に関する特別な技術や知識は問いませんが、少なくともパソコンでの作業が嫌いでないこと、基礎的な実験実習を自分で行えること、機器のマニュアル類を根気よく読むことができるといった資質は必要だと思います。心理統計法に関する基礎的な知識や解析法についても身につける必要があります。
大学院生(大学院を目指している人)は上記についてしっかりと理解した上で私を指導教員に指名して欲しいと思います。大学院に進学することは自分の将来に大きく関わることだと思います。自分の研究指向と教員の研究指向がマッチしないことには有意義な大学院生活は送れません。2年(5年)はあっという間に経ってしまいますので、慎重な教員選択を行ってほしいと思っています。
学類生は多少は「母語話者が言語を理解する仕組みの解明」から離れても構いません。自分が興味があることを研究してください。そのお手伝いをするつもりです。「興味があることを研究する」のは大変なことです。まずは何に興味があるのかをかなり具体的につめていく必要がありますし、そのためにどんな方法をとればいいかをあわせて考える必要があります。最終的な決断は自分でしなければいけませんが、途中の作業は教員と一緒に進めればいいので、まずは相談に来てほしいと思います。
大学院での指導教員を私にするには2つの方法があります。人間社会環境研究科 人文学専攻 「専門深化型プログラム 言語学」を選択する方法と「学際総合プログラム 認知科学」を選択する方法です。入試が大きく異なるので、研究科のホームページの概要や入試情報をよく読んでください。大学院では博士前期課程(いわゆる修士課程)、博士後期課程(いわゆる博士課程)の両方を担当しています。博士課程に進学するかどうかは重大な決断だと思います。指導方針の都合で、修士1年生が終わるまでに決めてもらうつもりです。また、いきなり大学院に入学するのではなく、半年なり1年なり研究生として勉強するのも良いと思います。その間に基礎的な知識を増やすことができますし、教員とのマッチング期間と考えることもできます。
学士課程(学類教育)でも私を指導教員にする方法が2つあります。人文学類では入学後、1年終了次に2年次以降に所属するプログラムを選択します。そのときに「言語科学プログラム」を選択し、3年次冬から始まる卒論指導で指導教員として私を指名してください。特に、3年次進級時に「言語認知科学履修モデル」を選択すると、心理学プログラムが提供する科目を選択必修としながら卒業研究に向かうことができます。
ありがたいことに私を指導教員として留学先を検討してくださる方がいらっしゃいます。原則としては1年以上研究生として在籍していただき、基礎的な力を身につけてから大学院入試に臨んでいただきたいです。私の指導能力や指導にかけられる時間に限界がありますし、来日後の研究志向のミスマッチをなるべく避けたいので、研究生受け入れを希望する方はまずはメールで連絡をください。その時には履歴書のほかに大学在籍時の成績表(日本語または英語)、研究計画書、日本語および英語の能力を示す資料を必ず添付してください。これらの資料を検討したのちにZoom等を用いてマッチングのための面談を行いたいと思います。必要な資料が添付されていない場合は、申し訳ありませんがメールに反応しません。
どのような方法であっても、私を指導教員に選んでくだされば、その期待に応えられるようにするつもりですし、ぜひ楽しく学んでほしいと思っています。